隆-過去-
代々医師の家系に長男として生まれる 総合病院経営の父、専業主婦の母
5才の時母が病気で他界
よりどころは市外に住む母方の祖父母 自宅では多忙な父とほぼ接触することもなく
家政婦が見守る中の食事 厳格な父は習い事で息子の寂しさを紛らわせようとし
語学、格闘技、音楽と、毎日毎日家庭教師を付け教育する
小学校入学 就学した隆の母親役が必要になることが多くなると言う理由で再婚
同時に母の連れ子である2つ年上の姉が出来る 平等に接しようとするがそこがまた癪に障り
反発心を覚える 友達ともあいつ金持ちだし胡麻すっとけ!
カリパクしてもいいだろう的な 付き合い方に嫌気がさす
私立の中学に入れられここで中学デビュー ますますオラオラな性格に拍車がかかり
身体も大きく格闘技の心得もあり 誰にでも構わずケンカを売るようになる
他校の頭だった瑠月にも例外なく仕掛けたが 頭突き一撃を食らい敢無く舎弟にさせられた
話を聞くと同じ境遇で意気投合、隆も瑠月の 頼れる温情厚い人柄にほれ込み
瑠月も素直な感情をぶつける隆を可愛がる
瑠月は卒業を前にそのスタイルとルックスを認められスカウトに応じ モデルデビューする
隆もエスカレーター式の高校に進学 瑠月は人気モデルとなり卒業を機に世界を舞台に活動しようとしていた
国内最後の撮影になるであろうと隆も撮影に招待されていた日
対立していた男が薬に手を出して落ちぶれ理不尽な嫉妬で 野外撮影中に包丁を持ち出し
背後から瑠月を襲撃
腹部と背中を刺され、止めに入ったプロカメラマンは運悪く急所を刺された
二人とも出血多量で隆の父の病院に二人とも搬送される
どうか助けて欲しいと隆は父に初めて懇願する
隆の願いはかなわずカメラマンは瑠月を庇い亡くなった
数日間生死の境をさまよっていた瑠月はカメラマンに礼を言う事も出来ずに
これを一生悔やむ事となる
意識が回復した瑠月は隆に
「俺たちは壊すことしかできないがお前の父親は 治すことができる。俺の命を救ってくれた。感謝している」と言った
その言葉で自分もこの人が褒めるような人間になりたいと心を入れ替える
その年隆は医者になることを決めカナダに留学
瑠月はメイクアップアーティストへと転身した
飛級で資格を取り現在のクリニックで精神科医となる